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越後雪かき道場®

国土の半分を占める雪国(豪雪地帯)では、毎年のように雪に関わる事故が起き、大雪の年には100人を超す方々が犠牲になっています。
これは単に雪の問題ではなく、過疎化・高齢化といった社会の変容がその背景にあります。
高齢者が無理をして除雪作業して事故に遭ったりしないよう、ボランティア受入れる体制を整えたり、安全対策や技能の向上を図る研修を実施したり、安全対策技術や製品開発の支援、そしてそれらの普及啓発に取り組んでいます。

「越後雪かき道場®」は、除雪安全と除雪救援をミッションとして掲げ、有志によって2006年に発足した社会実践活動です。平成30年防災功労者 内閣総理大臣表彰(2018)、地方自治法70周年記念自治功労者 総務大臣表彰(2017)など受賞多数。

越後雪かき道場」は、2005年12月から2006年1月にかけて起きた「平成18年豪雪」の経験を踏まえて、2006年12月に発足した組織(任意団体)です。実践活動を通じ、雪国の振興や地域づくりの観点から研究活動としても調査や分析を進め、さらにその成果を実践活動へとフィードバックしています。

越後雪かき道場®の概要

  • 除雪未経験のボランティアに対して、服装などの準備、道具の使い方、作業中の安全確保、除雪のスキルなどの研修を実施しています(初級コース)。
  • 除雪経験者に対して、雪下ろし作業の際の安全確保の方法(安全帯の履き方、ロープワーク、ハシゴの正しい使い方、事故に遭いにくい作業手順など)を研修しています(中級コース)。
  • 除雪の経験豊富な方に対して、チームを率いて雪下ろし作業を行うための、段取りの仕方、指導の仕方、目配り・気配りの仕方などを現場で指導します(上級コース)。
  • 雪かき道場®の暖簾分けを希望する方に、運営の仕方、座学や実技講習のポイント、地域や行政との連絡調整、コーディネートや参加者への気配り・目配り・心配りなど、道場のスタッフとして参加してもらいながら学んでもらいます。
  • 除雪ボランティアの実践活動や、地元への事前説明会、関係者へのセミナーや講演会などへの講師派遣も実施しています。

現在取り組んでいる研究課題

  • 地域防災力向上の観点から、地域の主体性醸成は、とても重要な課題です。雪かき道場で培ってきた、地域での実践活動の経験を基礎として、地域の主体的な活動がどのように生まれ成長するのかを、事例を通じて読み解く研究に取り組んでいます。
  • 公による除雪が進みその水準が高まるほど、住民からの要望・苦情が増えるという実情に、どの行政機関も頭を抱えています。そこで、住民要望・苦情データを分析し、その本質を読み解いて施策にフィードバックするための研究に取り組んでいます。

この活動に関連する論文等

著者 論文名 雑誌・巻号・ページ 発行年
遠山敬史,上村靖司,杉原幸信 雪かき道場における価値共創の要因分析 日本雪工学会論文集, 32(3), 29-42.
DOI
2020
上村靖司 越後雪かき道場 雪氷, 80(4), 363-372
CiNii
2018
鹿嶋功貴,上村靖司 雪かき道場が参加者に与える印象のテキストマイニング分析 日本雪工学会論文集, 31, 83-91.
DOI
2016

問い合わせ先
雪氷工学工学研究室
〒940-2188 新潟県長岡市上富岡町1603−1
長岡技術科学大学
電話:0258−46−6000(代表)
mail : kami @ nagaokaut.ac.jp※不要なスペースを削除してください。

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